読書会・399「惜 別」-太宰治-

 2009/06/16(火)

先月(5月)に引き続き、読書会では太宰治作品をとりあげました。

 「惜 別」 太宰 治 新潮文庫

画像



仙台留学時代の若き日の魯迅と日本人学生とのこころ暖まる交遊の描写を通して、日中戦争という暗く不幸な時代に日中相互理解を訴えた表題作。
“アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ”敗戦へとひた走る時代風潮に対する芸術家としての自己の魂を、若き頃からの理想像、源実朝に託して謳う『右大臣実朝』。太宰文学の中期を代表する2編を収める。

(裏表紙より)




●参考

2006/09/21 大坪読書会では魯迅の次の作品を取り上げています。

 「阿Q正伝・藤野先生」  魯迅 講談社文芸文庫
                   駒田信二 ・訳

 
画像
 

“人が人を食う”ことを恐怖する主人公の「子供を救え」の叫びとともに封建制度・儒教道徳の暗黒を描く「狂人日記」。
革命のどさくさの中の阿Qの死と悲喜劇を通して“革命と民衆”を鋭くつく「阿Q正伝」。「孔乙己」「酒楼にて」等。
辛亥革命前後の混乱期に敢然とペンを執って立ち上がり、中国近代文学を切り拓いた魯迅が、時代の苦悩と不屈の精神を伝える13篇。
魯迅を読まずして中国を知ることはできない。

(裏表紙より)





 話し合い

 ・『惜別』は昭和18年11月に召集された大東亜会議の五大宣言を小説化する
  ための昭和18年内閣情報局と文学報国会の依属を受けて書き下ろした長編
  である。太宰治にとって唯一の国策小説である。
 ・読みながら何か物足りないと感じたのは上の事情でほかの作品とは違って
  いる。しかし、太宰のエネルギーがよくでている。
 ・苦悩が明るい・・・もの足りない・・・時代の圧力の中でよく書けている。
 ・魯迅の『阿Q正伝・藤野先生』を読みなおすと魯迅がよく分かった。
  読書会に参加しているとどこかで知った内容がたくさん出てくる。
  それを組み合わせていくことで楽しみが何倍にもなる。
 ・『右大臣実朝』は歴史もの
  「ぜひとも読んでください!」と力説されました。  
 ・・・・・・・・・・・・

 次回   7月14日(火)(第2火曜日)

    「黒い雨」 井伏鱒二