読書会・381「マシアス・ギリの失脚」-池澤夏樹-

 2007/11/20(火)

先月「忘却の河」福永武彦をとり上げました。
池澤夏樹が息子と知り、谷崎潤一郎賞を受賞した
「マシアス・ギリの失脚」を今月の本に選書しました。



 「マシアス・ギリの失脚」 池澤夏樹 (新潮文庫)

画像



南洋の国ナビダード民主共和国。
日本とのパイプを背景に大統領に上りつめ、政敵もないマシアス・ギリは
すべてを掌中に収めたかにみえた。
日本からの慰霊団47人を乗せたバスが忽然と消えるまでは・・・・・・。
善良な島民たちの間でとびかう噂、おしゃべりな亡霊、妖しい高級娼館、
巫女の霊力。
それらを超える何かが大統領を呑み込む。
谷崎賞受賞。




 池澤夏樹 (1945-)

1945(昭和20)年、北海道帯広市出身。
埼玉大学理工学部物理学科中退。
ギリシア詩、現代アメリカ文学を翻訳する一方で詩集『塩の道』
『最も長い河に関する考察』を発表。

1988年 『スティル・ライフ』 芥川賞
1992年 『母なる自然のおっぱい』 読売文学賞
1993年 『マティアス・ギリの失脚』 谷崎賞
・・・・・
他に『骨は珊瑚、眼は真珠』『小説の羅針盤』『花を運ぶ妹』
『イラクの小さな橋を渡って』『言葉のの流星群』
『憲法なんて知らないよーという君のための「日本の憲法」』
等著書多数。


●大坪読書会は、はじめて「池澤夏樹」をとり上げる。


 話し合い

 ・621ページ(厚さ2.5cm)という長編なので読み始めるのに戸惑った。
 ・解説の中に次のようなことが出ていました。
   書き出しの部分で、「予感(あるいは期待)に動かされない限り
   読者は先を読み進める意欲など持ち続けられない」
   
 書き出し
  朝から話をはじめよう。
  すべてよき物語は朝の薄明の中から出現するものだから。
  午前5時30分。空はまだ暗いのに、鳥たちが巣を出て騒ぎだす。
  ・・・・・・・・・・

  
  (私)
  朝早くPC作業をしていると日の出前に鳥が騒ぎ出すのをよく聞き
  ました。
  この書き出しの状況が目の前に浮んできました。
  私はしっかり作者に気持ちをつかまれてしまいました。


 ・おもしろいとの感想。
  しかし内容は深く突き詰めると考えさせられることばかり。
 ・マシアス・ギリの人間性は憎めない。
 ・人間の一生は「出会い」をいかに生かすかが問題。
 ・あまりのもたくさんのことを含んでいるので整理するのが大変。
 ・読書会に出て話し合っているうちに、いろいろなことが整理されてくる。
 ・参加することの大切さを再認識。
   

 次回 12月18日(火) 

  「兄いもうと」 鳥越 碧 (講談社)